TAKU氏の事件簿

タクシー車内で繰り広げられるドタバタ劇

4690円になります 2015.11.17

■■■ タクシードライバー TAKU氏の事件簿 ■■■

「4690円になります…」
またもや その声は
車内にむなしく かき消えていく…

あれは週一番のかきいれ時
金曜の夜

茶沢通りを三軒茶屋に向かう途中に
立っていた4人

全員乗るかと思いきや
無理やりに押しこまれた男1人のみ

どことなく
厄介払い出来たと
ホッとしたような顔の
乗らなかった男性いわく
「狛江までね♪」

念の為 乗った男性に も一度確認
「世田谷道…り…」
言い終わると同時に倒れ込む

一抹の不安を感じつつ
世田谷通り、狛江へ向かう

途中、ガサガサ…
後ろは何をする人ぞ? ( ゚д゚) ナニゴト?

どうやら寝返り
ひっくり返り ブーツが窓にぶつかり
ガンガン響く (ーー;) ヤメテ…

狛江もうすぐ
声をかけるが、
返事は寝息… (¯―¯٥) オキヨウヨ…

仕方なく狛江駅停車
呼び掛け、10分以上

ようやく起きる
「4690円です」伝えると

「高えな…?そんな金ねえよ!」
ナンデスト? (゜゜)

「カードはお持ちですか?」

「ねえよ。それよりここどこ?
喜多見まで行ってよ」(¯―¯٥) ハジメニ イッテヨ…

「すいません。お金をお持ちではなければ
ここまでになります」

「じゃあまけてよ。今これだけしかない」

コイントレーに投げ込まれる
数枚のお札と硬化… (ーー;) タリン…

「すいません。本当にほかにお金をお持ちではありませんか…?」

「仕方ねえな…」 (+_+) ハッ? シカタネエ?
「そこのコンビニで降ろしてくるから
ここにいてよ」

待つこと数分…
水をグビグビ、足はフラフラ戻ってくる

「じゃ、車出して!」 (ーー;) ハイッ…?

「あの…、料金をオマケするので
こちらで降りられるとおっしゃっていたと思うのですが…」

「あ〜、金はない!」( ゚д゚) オイオイ…

稼ぎ時のわずかな時間が
無情にただただ過ぎてゆく

こんな時 一つの対応
後日料金振り込みしてよと
誓約書交わすけれども
これほど役に立たないモノはない

誓約書に這い回るミミズ文字
酔っ払ってて字にならず

しかも酔心の時の事など忘れ去り
後日振り込みほとんどなし…

こうなれば
損切り 自腹 ほなサイナラと
時間節約 都内へ急げ!

お客様、
お金無いなら乗らない
無いと開き直らず
上から目線を止めなさい!

お金おろすと言いながら
水だけ買わない
嘘つかない
せめてカードを持ちなさい!

……稼ぎ時 金曜の夜
TAKU氏は狛江から大急ぎで都内へ
水を飲むのも惜しみながら向かうのであった…

※この物語は実際の出来事を
元にしたフィクションです!

 

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