TAKU氏の事件簿

タクシー車内で繰り広げられるドタバタ劇

上目黒からの三人 2016.5.31

■■■ タクシードライバー TAKU氏の事件簿 ■■■
上目黒からの三人編


あれだけ黒かった空が
だんだんと白く明るくなり始めだした
午前4時半頃


車を停めた
三つ目が真っ赤の目玉で
睨んでいるからだ


こういう時はただ待つに限る
長くなった付き合いでよく知っている
ほっとけば穏やかな青い目になる事を


ここは中目黒駅
三つ目の機嫌が良くなるのを待つ間
少し先に何気なく視線を向けた


聖なる道路に猛烈にキスしようとする男を
肩に担ぎ、片手をあげ両手に振り
タクシー乞いの儀式をしている男達がそこにいた


この儀式を目の当たりにすると
正当な理由がない限り拒否出来ない


機嫌をなおした三つ目を横切り
今回召喚された御主人様達に合言葉
「どうぞ!どちらまで行かれますか?」を唱えた


A (-_-;) 「……」 なだれ込んできて倒れる
B (# ゚Д゚) 「おいA、しっかりしろお前!」
C ( ゚д゚)「武蔵小杉まで」


A (-.-;) 「…」ガチャガチャガチャ
B (# ゚Д゚) 「じっとしてろお前は!」
C (*゚∀゚) 「謎の行動〜www」


A (-_-;)「…」ウィ〜ン ガチャガチャ
B (# ゚Д゚) 「危ないからヤメロ!」
C (≧▽≦) 「1人プリズン・ブレイク〜!」


しばらくして
C (・へ・)「まだ着かないの?遠回りじゃねぇ?」
B (・∀・) 「こんなもんだ!平常、平常!」
A (-_-;) 「…」モゾモゾ (運転席座席をやたら押す)


武蔵小杉駅が近づいて来た所で
深き眠りより目覚め荒ぶる男A


A (# ゚Д゚) 「そこ曲がれ!俺の家まで行け!金なんかねぇ!」
B (# ゚Д゚) 「ふざけんなテメエ!俺がこのまま武蔵新城まで乗ってくからCとそこで降りろ!」
C (;´Д`) 「俺が面倒見るんですか…?え〜…」


一旦停車
C (;´Д`) 「1人で面倒見るんですか〜?」
B (# ゚Д゚)「ほら降りろ!A」
A (~_~;) 「…」 降りた聖なる道路に大胆なハグ


再度乗り込んでくるB
B (*゚∀゚) 「武蔵新城まで行って下さい」

車外から
戸惑うC (。ŏ﹏ŏ) 「お… お疲れ様でした…」
立ち上がるA (# ゚Д゚) 「おい何様だ?テメエ!○※■"△!」


車内からB (# ゚Д゚) 「いい加減にしろ!」


走り出した車
怒りが治まらないBは携帯に話しかける


B (# ゚Д゚) 「テメエそんな口 誰に向かって言ってやがる?はぁ何ぃ?ダメだ!今のお前じゃ話にならねえ!明日また俺んとこに来やがれ!」

ピリピリした空気の車内
仕事仕事と前を向き集中していた最中
後ろから聞こえてきた申し訳無さそうな声…


B (~_~;)「すいません…」
吾輩 (゜o゜)??? 「はい?」
B (~_~;) 「屁、屁を…こいてしまいました…
く、臭っ!!!す、すい…ません…」


朝もやが立ち込める早朝
車内には それはそれは臭い屁が
立ち込めようとしていた武蔵新城の朝


嘘のような本当のタクシー事件簿

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