TAKU氏の事件簿

タクシー車内で繰り広げられるドタバタ劇

ではまたのご利用を♪ 2015.9.24

タクシードライバー TAKU氏の珍事件簿
北青山 → 恵比寿編】

吾輩はタクシードライバーである。
仕事がら運転中色んなモノを見る。

ガードレールに激突して倒れる自転車。
街中の植木に頭から刺さったまま動かない人。
ビリビリに破れまくれ、もはや原型をとどめない
白いTシャツ姿で全身擦り切れ傷だらけ。
グシャリと曲がった自転車をタクシーに積んで乗車しようと
するボロボロの男性。
(自転車がトランクに入りきらない為乗車せず)

あれは…青山通りを渋谷方面に走行中だった。
一人の男性が手を上げ、ゆったりとした声で
「恵比寿に~」と言った。

すぐさまタクシーを走らせる。
そう車では遠くない距離、数分後には
恵比寿駅の近くの交差点に着いていた。

信号が青になったので、車を走らせながら停車場所を確認する。
「もう少しで恵比寿の駅になりますが、
どのあたりにお停めしましょうか?」

男性は、シレッと答えた。
「え~とね~、恵比寿●-●-●に行ってください~」

(◎_◎;) いやややぁ?、ままま…待て待て待って~お客さん?!
このタイミングで言うんですか?
住所だけでなんて…ナビ先生の協力なしでは無茶でしょ?

「すいません、停車しないとナビ入力が出来ないので
そちらにいったんお停めさせていただきますね?」

「はい~」という返事を確認した後、
冷静さを装い車を左端に停車。(;一_一) アセッタ~…

「恵比寿●-●-●ですね」入力をすませ、ハンドルをまわす。

ナビ通りに行こうとしてる所に声がかかる。
「あぁ、そこ左に曲がってください~」
「今度はそこを右に曲がってください~」
所々でお客さんの何度も指示が入る。(。-`ω-) ナビ イレタンダケドナ~…

ナビをチラ見する。目的地にそろそろ着きそうだ。

指示はさらに続く。
「今度はそのまままっすぐに~、でそこを…」

…だんだんと吾輩の心に不安が大きくなってくる…
ナビのゴールから離れていっているのだ… (+_+)

「お、お客さんナビでのゴールから離れていってるようですが
大丈夫ですか?」(゚Д゚;) イイノ?ネェ ホントウニ コレデイイノ?

「おかしいなぁ~このあたりだと思ったんだけどなぁ~?」
スマホの地図を見ながら頭をひねるお客さん…

「よろしければナビの指示通りに走らせてもよろしいですか?」

了承を取りタクシーを走らせる。
そしてすぐさま到着した目的地。(=_=) フゥ~ ナントカ ツイタ…

「あぁ~ここだ。ここだ~」と
ホッと安堵の顔をして車を降りて行ったお客さんであった。

お客様、住所指定の場合はお早めにお知らせいただけると助かります。あと不慣れな場所でしたらナビ先生のお力をお借りすることをおススメいたします。ではまたのご利用を♪

※写真は、小説家 志茂田景樹さんの息子の 下田大気さん
普通のタクシードライバーの2倍の年収を稼ぎ出す
カリスマドライバーです。

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