TAKU氏の事件簿

タクシー車内で繰り広げられるドタバタ劇

悪寒と聞こえてくる声なき声 2015.5.8

吾輩はタクシードライバーである。GW明けすぐは特に売り上げが少ない。

すっかり明るくなった新宿の朝。
グルぐるGURU回ってようやく見つけたお客様。

手を上げたのを確認してそばによる。

ドアを開けるとヌラりと
ヌル~とした動作で乗り込んでくる。

突如背中に走る悪寒と聞こえてくる声なき声。
「ネタが来た!」と…(゚Д゚;)

行き先を確認、ナビに入れてくれと言われた
住所はさいたま市南区

近くになったら起こしてくれ!と横になるお客様。

割と話しぶりが安定していたので、
さっきの悪寒は気のせいだったのかな?と
思いながら車を走らせる。

しばらく走っていると、
急に聞こえてきた「ドサッ!」という音。

何事かと後ろを振り向くと、
座席の下にはまり込んでいるお客様…。

運転席から手の出しようもなく恐る恐る声をかける
「お客様、大丈夫ですか…?」

「大…丈夫じゃ…ない…」と
呟いたかと思うとそのまま動かなくなるお客様。

朝ラッシュの中、停車もままならず
そのまま走らせること約5分間。
モソモソッと無言で座席に戻るお客様。

内心ヤレヤレと思っている最中に、
急に口を開きだす。

「俺はいいからさ~、
とにかくこの二人の女の子を早く乗せなって!
だからぁ、俺はいいんだって、
先に帰らせてやってくれ!」

?(´・ω・) 
「お客様?、お客様はお一人でお乗りになってますよ!」
と声を掛けると途端に無言になること…約3分間。

カラータイマーが鳴り終りそうな頃
再度、口を開くお客様。
「…いすの…みぃ…」

??(´・ω・) 
言葉が理解出来ない吾輩。

「あ…すのみ~…きてぇ」 
何度となく繰り返されようやく聞き取れた
アイスの実~買ってきてぇ…」(ー_ー)!!

( 一一) ここはあえて聞かなかったことにし…車を走らせる
そのまま深い眠りの世界へ無言で誘われるお客様。

目的地の近くになり約束通り声を掛けると、
お約束通り目を覚まさないお客様…<(`^´)>

何度も声を掛けると、
目を開かずに不機嫌そうにを繰り返される
「わかってるよ!」 
(。-`ω-) イヤ ゼンゼン ワカッテ ナイヨネ?

「着きましたのでお支払いをお願いします!」
「うるせぇな!金ならいくらでも持ってるんだからよ」

「今、タクシーの中です。
さいたま市南区に着きました。起きて下さい」
「だれがそんな所に行けと言った?歌舞伎町に行けよ!」

「お客様が行くように言われたさいたま市南区です。到着しましたよ」
「うるせえなぁ!あれはどうなった?同級生のやつらはよぉ?」

「お客様はお一人でお乗りになられましたよ?」
「うっせぇな!そんな意味じゃねえよ!」 (。-`ω-) ナニ イッテルノ?

「料金が○○○○円になります」
ポンッと放り出されるライター…(´゚д゚`)
「お客様、これは…ライター…ですね?」

途端に激怒し、
助手席の後ろをゲシゲシと蹴り始める男性。
「なめてんのかぁてめぇ、
ライターだと?さっきから黙って聞いてると
あ~だ、こ~だ言いやがってよ?なめてんのか?」
(。-`ω-) コワッ!ソシテ ア~ メンドクサイ…

「すみませんお客様、料金が○○○○円になります」
「だから今、万札出しただろうが!」 (。-`ω-) ライターデスカラ、コレ!

…多少のすったもんだがありながら
ようやく本物を出してもらう事に成功。

お客様が降りた際に、携帯を忘れているのに気付き
お客様に携帯を忘れていますよと呼びかける

「ありがとよ!」と一言言い残しそのまま
さいたま市南区の朝ラッシュの中へ消えていくお客様だった…

*写真は、やさぐれてしまった心とお腹を癒してくれた
セブンイレブンで出逢ったことりのむーすけーき君です♪

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