真夜中の運び屋 2015.8.31
俺は真夜中の運び屋だ。
たまに要注意人物を運ぶ。
急に機嫌が悪くなるのはありがちで
場合によっては、意味不明な発言、
大声で歌いさわぎ、
逆に静かだと思えばいびきのみで
こちらを無視し続けるので
警察の力を借りる事もある。
YOPPARAI と言われる
そんなやつらを時に相手する俺たちを
人は タクシードライバー と呼ぶ。
……それは仮眠休憩が終わりの時だった (´Д⊂ヽ
なぜか…違和感を感じる右側。
そこにあるのは運転席側の閉じられたウィンドウ。
外は今宵ブルームーンが照らす都会の暗闇。
その窓越しに見える暗闇に
うっすらと浮かぶように見える白いモノ。
「なんだ?これは…」と目を凝らす。( 一一)?
1… 2… 3… 4…5。 ……んっ? 指か!これ!
そう、そこに見えたモノは
指を大きく広げ押し付けられた
大きな手の指紋だった。
窓に白くベタッと張り付いていた。
「えっ?なんで…?」(´゚д゚`)?
思い返す… たしか出庫時にはなかったはず…
休憩前にも…
ならば付いたのは休憩中…
思い返す(。-`ω-)…
…そういえば仮眠中ウツラウツラしていた時
かすかに感じたような車内の揺れ…
目を開けずにいて、
てっきり地震か気のせいかと思っていたのだが…
もしあれが気のせいでなければ…
誰かがタクシーに乗ろうとしたものの俺が寝ていたので
起こすために窓を押し車を揺らしていたというのか…(・_・;)
…………(。-`ω-) ムムム…
覚えておいてくれ 見知らぬ誰かよ (; ・`д・´)
タクシーを見つけたからといって
スーパーサインが回送だったり、
車の上についている あんどん が消えていたら
それは営業外だからそっとしていて欲しいという事を…
