タクシーの神もいるのだろうか 2015.11.3
タクシードライバー TAKU氏の事件簿 【三軒茶屋編】
暗闇に浮かぶは
さんさんと輝くハーフムーン
その真下
眠る事を知らない大都会
どこからともないライトに照らされ
まるで星空のように輝くは
窓に打ち付けられた
幾千もの小雨跡
日本には八百万の神々がいるという
ならばタクシーの神もいるのだろうか
いるならばきっと
イタズラ好きなのではなかろうか
信号待ち、後ろのタクシーへ乗り込むお客さん
(ーー;)
信号待ち、またもや後ろの車両に乗り込むお客さま
(ーー;)(ーー;)
手を上げた、目の前に停めると
間違えました…と謝るお客さまさま
(ーー;)(ーー;)(ーー;)
神様はイタズラ好きではなかろうか… ( ̄д ̄) イジワルスルノ?
はてさて場所は三軒茶屋の交差点
カラオケボックスからの二人の男性
その一人
3日遅れのハロウィンの
ゾンビのようなフラフラ歩き
信号待ちの吾輩の車両の真ん前へ
かと思えばあさっての方向へ
かとかと思えば乗り込んで来ようと近づいてくる
ドアを開けるべきか
開けざるべきかの大問題 (。-`ω-) ドウシタモンヤラ…
もう一人が近づいて来たので
つれがいるなら大丈夫だろうと開けたドア
すぐさま乗り込みユラユラしている男性
「上馬の交差点まで連れてってあげてください」
連れの男性はそう口を開いた…
(@_@。 ヘッ?乗らないの?
「こいつのカードです。これで支払いします」
横からゾンビが口を挟む
「俺のカードは高いんだぞぉ〜!」 ( 一一) ナンノハナシデスカ?
別れ際念を押す連れの男性
「おいっ!上馬の交差点で降りろよ。わかったか?」
漏れる声…
うぁ?うぅ… あぁ… ( 一一) ウメキダヨネ ソレ?
そんなやり取りを横目に
女性が後ろの空車に乗り込む
(;´Д`) オネエサン コノヒトト カワリマセンカ? ソウシマショウヨ!
仕方なくUターンし、向かうは上馬の交差点
深夜割増時間帯にかかわらず、
ワンメーター730円
着きましたよと声をかけるが
すでにゾンビは地蔵となり固まっていた (+o+) ダヨネ…
すぐさま110番
「…酔っ払ってるお客様を起こすのを手伝ってください…」
待ち時間…
後部座席はスヤスヤと
運転席は売上が〜、時間が〜とヒヤヒヤと
2名のおまわりさん
男性に声をかけながら身体を揺らす
ユラユラ ユラユラ 「んぁ〜?」 バタン!
「ダメだよ、そこで寝ちゃ〜!」とお巡りさん
もぞもぞと身体をお越しまた夢の中
ユラユラ ユラユラ 「もうちょっとぉ〜」 バタン!!!
「だから~、タクシーの中で寝ちゃダメッだって!」とお巡りさん
そんなやり取りをいつの間にか
動画撮影している通りすがりのサラリーマン ( ̄д ̄) オイオイ…
ようやく少し意識が戻り
カード払いのサインをお願いするものの
ペンが逆、欄外へサイン、サインが途中で止まる…と
すったもんだのお祭り騒ぎ \(゜ロ\)(/ロ゜)/
上がらない売り上げ、決して止まらない時間…
きっとタクシーの神様はいたずら好きだ…
空を見あがると、心を代弁するかのように
小雨がシトシトと降り注いでいた… (;一_一) アァ カミヨ…
※物語は事実を元にしたフィクションです。