TAKU氏の事件簿

タクシー車内で繰り広げられるドタバタ劇

涙目で迎えた誕生日の朝 2014.2.4

誕生日の朝にそのお客様に出会った…

 「…ぃんだよう?」
  なんどもつぶやき
   暴れだす
  八方塞がりの
   誕生日の朝

始めは紳士的な男性だった

朝方の新宿歌舞伎町の近くで男女のお客様を乗せた
女性をまず中野で降ろし、築地へと車を走らせる

二人でいた時の会話は、演劇の話をしているようで
男性の口調は柔らかで知的な印象だった

途中から男性一人になり、築地へ向かう途中お疲れからか
寝息を立てて眠り始める

十数分の運転を経て、左折をするともう到着する所まで着いた

最後にどこに止めるのか確認の為にお客様に声をかける

「お客さま、もう着きますよ」
 「おう…」眠気を感じながらも返答してくれるお客様、…がすぐにまた眠りの世界へ アリャリャ…(´ω`)

一時停止し、お客様にもう一度声をかける
「お客様、目的地の近くまで来ました。どちらでお止めしますか?」

うつむき加減のお客様がつぶやく
 「…ぃんだよう?」

???が頭をよぎる 「…ぃんだよう?」
 「着きましたよ?お客様!」 「…ぃんだよう?」
 「お客様?」 「…ぃんだよう?」

低い声でつぶやき気味のめちゃくちゃ滑舌の悪い言葉が容赦なく返ってくる

  しかたなくオウム返しする俺「…ぃんだようとは?」
 「…ぃんだよう?、…ぃんだようは…ぃんだようだー!」

…相変わらず滑舌悪いし、さっぱり意味が分からない…(>_<)
 
 「お客様…」 八方塞がりでもう一度声をかける
   「…ぃんだようぉぉぉ?」 声がでかくなっただけで滑舌はいまだ悪く意味が分からない…(>_<)

 「…ぃんだよう?とは」 なすすべなく…聞き返す
   「5人か、6人か?」 突如返答が変わるが…
 内心、ハッ?(ーー;) 5人?、6人…? 今はあなた一人ですが…

 質問に答えられなかった事に腹だったのか、助手席の後ろに思いっきりケリを入れるお客様

 「…ぃんだようぉぉぉ?」 ご立腹なのは分かったが、滑舌悪い謎の言葉の意味が分からない…分からない…分からない…

 「大丈夫かぁ?てめぇぇえ!」 やっと意味のわかる言葉を言ってくれたのはよかったものの、いやいやいや…それはこっちのセリフですがと口には出せず…

 怒りに任せて助手席の後ろにケリを何度も入れるお客様

 あの紳士はどこにいったんだぁ~。゚(゚´Д`゚)゚。

ふと、「一人か二人かぁ?」と質問してきたお客様
 
 「今はお客様はお一人で、料金が○○円になりますが…」と答える

 すると、プリプリしながらも財布からお札を投げつけてくるお客様

 そして滑舌悪いその口から、またなにやら捨て台詞を吐いて去っていくお客様

訳わからない言葉と、涙目で迎えた誕生日の朝。゚(゚´Д`゚)゚。