そ、そっすね、 2014.11.29
イルミネーションが煌めく大都会の夜勤明け
一人の男の左に曲がれ!のジェスチャー
指示通りに左に曲がると
黒系の高級そうな服を着こなした男が2人乗り込んで来た
「旗の台まで! 住所をナビに入れられますか?」
ナビに住所を打ち込みタクシーを走らせる
おもむろに後輩らしき人に声をかける男性
「それでさ、あの件裁判所って話はどうなってるの?」
戸惑いながら答える後輩らしき男性
「そ、そっすね、多分家賃の事だと思います…」
「どのくらい払ってなかったの?」
「な…七か月ぐらいです…」
パシーンッ!!!!Σ(゚Д゚)
車内に響き渡る叩かれた頭の音
(´゚д゚`) ナナカゲツ ヨクオイダサレナイデスネ…
「お前は何をやってるんだ?!
そもそも家賃を女に出させてたんだろう?お前は?
お前もホストをやってるんだから
稼ぎが良かった時期もあったろうに…それで滞納?
どうせあれだろうお前の事だパチンコだろう???」
「そっ、そっすね…」
「お前は俺と違って博打の才能がないんだから、
周りに迷惑かけるようなするんじゃないよ!
俺も博打はするよ!ゼロ2桁ぐらい違うけどな!
でも俺は勝てるんだよお前と違って」
(´゚д゚`) ゼロ フタケタッテ モシカシテ スウヒャクマンタンイデスカ オキャクサマ?
「止めろとは言わないけど、
少し前にも面倒をお前は起こしたばかりだろ?
せめて今は自重しろよ?!」
「そっ、そっすね…」
(´゚д゚`) オキャクサマ アレデスカ? トラブルメーカートイウヤツデスカ?
「あれはどうなった?
あいつがストーカーとか言われて捕まってる件は?」
「あっ、あれは拘留が延期になったそうです。証拠がなかったり、相手との話があまりに食い違っているとかなんとかで、あいつは証拠の一つにラインを見せてやるとか言ってたそうなんですが、ちょうど携帯が壊れていて証拠にならなかったそうです…」
「はっ?!運が悪いなーあいつも…」
(´゚д゚`) ウンウン ソウデスネ ウンワルイカタデスネ…
「話が変わるけどさ、○○はもうやばいらしい、白血病が進行していてどうしようもないらしい、お前はまだ見舞い行ってなかったよな?
明日行くからお前もついてきて少しでも元気づけてやれよ…」
「そっすね…」
(´゚д゚`) ハッケツビョウ……
垣間見る真夜中の水商売の世界
後部座席で語られる話はどれもこれも、
こちらの心の壺に収まりきらない話の連続
吾輩はみずがめ座のタクシードライバーである
今宵は心のみずがめから
なにかがダダ漏れする日である( 一一)
