TAKU氏の事件簿

タクシー車内で繰り広げられるドタバタ劇

後ろは何を する人ぞ 2015.9.23

タクシードライバー TAKU氏の事件簿
麻布十番 → 六本木 → 晴海】

シルバーウィークは儲かるでしょ?と
聞かれる事があるが
連休は人が地方や海外に大移動するので
お客さんが少ない…(。-`ω-)

秋深し 後ろは何を する人ぞ

あれは朝方近く、麻布十番で乗せた。
派手めの恰好をした可愛らしい声の女性だ。

「ロアビルの前辺りに一旦止めてもらっていいですか?」

どうやら待ち合わせのよう。
携帯電話でお互いの場所を確認しあったのち、
少し経つとサングラスをした男性が乗り込んで来た。

「晴海へ!」

後ろに気を付けながらゆっくりとアクセルを踏み込む。

男性は上司との付き合いで朝までかかった事を話す。
ねぎらいの言葉を掛ける女性。
いつしか二人についての話に変わりゆく。

「いつになったら本当の彼女にしてくれるの~?」
「いや君ってかわいいから心配になるだろう?」
「心配って何を心配するの?」
「君みたいな若くて可愛い娘がぜったいモテない訳ないだろう?」
「ぜんぜんモテてないよ~!」
「そんな事ない。絶対君かわいいから!」
「……うれしい♪」

このやり取り、繰り返される事、4度…。(;一_一) ヨッテルノ?

「結婚願望とかあるの?」
「めちゃくちゃあるよ!すぐにでも結婚したいと思ってるし」
「じゃあ、結婚する時は相手は俺にしなよ! (; ・`д・´)」
「…かっこいい!」 ( 一一) オハナバタケ? キノセイカ…?

モミジのように顔を赤らめる二人。
イライラで吾輩は顔を赤らめる。
秋深まりつつある今日この頃。

※写真は元SDN48たかはしゆいさん30歳の
美人過ぎるタクシー運転手

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ではまたのご利用を♪ 2015.9.24

タクシードライバー TAKU氏の珍事件簿
北青山 → 恵比寿編】

吾輩はタクシードライバーである。
仕事がら運転中色んなモノを見る。

ガードレールに激突して倒れる自転車。
街中の植木に頭から刺さったまま動かない人。
ビリビリに破れまくれ、もはや原型をとどめない
白いTシャツ姿で全身擦り切れ傷だらけ。
グシャリと曲がった自転車をタクシーに積んで乗車しようと
するボロボロの男性。
(自転車がトランクに入りきらない為乗車せず)

あれは…青山通りを渋谷方面に走行中だった。
一人の男性が手を上げ、ゆったりとした声で
「恵比寿に~」と言った。

すぐさまタクシーを走らせる。
そう車では遠くない距離、数分後には
恵比寿駅の近くの交差点に着いていた。

信号が青になったので、車を走らせながら停車場所を確認する。
「もう少しで恵比寿の駅になりますが、
どのあたりにお停めしましょうか?」

男性は、シレッと答えた。
「え~とね~、恵比寿●-●-●に行ってください~」

(◎_◎;) いやややぁ?、ままま…待て待て待って~お客さん?!
このタイミングで言うんですか?
住所だけでなんて…ナビ先生の協力なしでは無茶でしょ?

「すいません、停車しないとナビ入力が出来ないので
そちらにいったんお停めさせていただきますね?」

「はい~」という返事を確認した後、
冷静さを装い車を左端に停車。(;一_一) アセッタ~…

「恵比寿●-●-●ですね」入力をすませ、ハンドルをまわす。

ナビ通りに行こうとしてる所に声がかかる。
「あぁ、そこ左に曲がってください~」
「今度はそこを右に曲がってください~」
所々でお客さんの何度も指示が入る。(。-`ω-) ナビ イレタンダケドナ~…

ナビをチラ見する。目的地にそろそろ着きそうだ。

指示はさらに続く。
「今度はそのまままっすぐに~、でそこを…」

…だんだんと吾輩の心に不安が大きくなってくる…
ナビのゴールから離れていっているのだ… (+_+)

「お、お客さんナビでのゴールから離れていってるようですが
大丈夫ですか?」(゚Д゚;) イイノ?ネェ ホントウニ コレデイイノ?

「おかしいなぁ~このあたりだと思ったんだけどなぁ~?」
スマホの地図を見ながら頭をひねるお客さん…

「よろしければナビの指示通りに走らせてもよろしいですか?」

了承を取りタクシーを走らせる。
そしてすぐさま到着した目的地。(=_=) フゥ~ ナントカ ツイタ…

「あぁ~ここだ。ここだ~」と
ホッと安堵の顔をして車を降りて行ったお客さんであった。

お客様、住所指定の場合はお早めにお知らせいただけると助かります。あと不慣れな場所でしたらナビ先生のお力をお借りすることをおススメいたします。ではまたのご利用を♪

※写真は、小説家 志茂田景樹さんの息子の 下田大気さん
普通のタクシードライバーの2倍の年収を稼ぎ出す
カリスマドライバーです。

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哲学する夜 2015.9.25

タクシードライバー TAKU氏の事件簿
【新宿 → 新井薬師前

吾輩はタクシードライバーである。
時に「常識」とはなんなんだろうと哲学する夜もある。

雨降る新宿。
日が昇るまで時間があり周りはまだまだ真っ暗。
区役所通りを走行中、
左側から違法駐車の隙間からスッと出てきて
手を上げる女性。
強引なタイミングに危ないなと思いながらも車を止める。

女性の後ろには恰幅の良い男性。

「もう飲みすぎなんだから気を付けてよ?!」
「大丈夫だ、もうこんな店こねぇから!ガハハハハ!」

憎まれ口をたたきながら男性のみ乗車。

新井薬師前まで行ってくれ」

すぐさま車を走らせる。

新井薬師前に向かうには職安通りを左に曲がる、
もしくは職安通りにぶつかる少し前にある
斜め左に曲がる道がある。

その左斜めに入口付近には二人の通行人が
邪魔になっていて入りづらい。

それに対し青信号に余裕で間に合うと判断し、
左斜めの道をあきらめ、まっすぐ進み職安通りを
左に曲がった。

後部座席から声がかかる…
「兄ちゃん、新宿はよく走るのかぁ?」
「はい、そこそこ走ることあります」
「なんで!斜め左の道に入らなかった?」
「人が…」

説明しようとする声をさえぎり男性は言う
「俺は別にいいんだが…青信号だったからいいんだが
左斜めの道があったろうなんで入らなかった?」

「あのと…き…」
またもや声をさえぎられ男性は言う
「別にいいんだが、青だったからいいんだが、
なんていうか常識だと
あそこは早く行くために9割方が左斜めに入るだろうが」

「ひと…が…」 三度さえぎられる
「別にいいんだが、タクシーとして少しでも早く行こうとする
やる気が無いっていうのか…」

…その少しでも早く行くためだったが
話を聞いていただけない (ノД`)・゜・。

別にいいんだが…と前置きしながらも
同じ話を繰り返し。
段々とヒートアップするお客さん

「出身はどこだ?」「岡山です」
「じゃあ東京の道なんかよく知らねえだろう」
「そうですね、分りづらい所もたくさんありますね」
「わかりづらいじゃねえよ、プロだろ?」(゚Д゚)ノ ガ~
「すいません…」(+o+) ソレヲイワレルト…
「ナビなんかより俺の方がよく道を知ってるぜ、
白山通りなんか混むが俺が走れば抜け道を走ってすぐだぜ?!」
「すごいですね、車関係のお仕事か何かをされているんですか?」
「馬鹿か?!地元だよ!!!」
「すいませんでした…」 (。-`ω-) シランガナ…
「すいませんでしたじゃねぇよ!」( `ー´)ノ ガミガミ

何を言っても怒られる吾輩。(;一_一)

分かれ道に差し掛かり確認の為に声を掛ける
「どうしましょう。ここはまっすぐ向かいますか?」

「右に曲がってくれ!」「かしこまりました!!!」

より機嫌悪げな声がかかる。
「おい!兄ちゃん。なんでまっすぐで行こうとした?」
「いえ、みち…(の確認をさせていただいただけです)」
またもや遮られ最後まで話せない… (*´Д`) ア~

「お前プロだろ、なのに自信満々でまっすぐにいって
遠回りしようとした?!」

(´゚д゚`) えっ?なんでそうなるの?自信満々?
遠回りにならないようにと分岐前で確認取っただけなのに…

始終何かがかみ合わない…(ノД`)・゜・。

「お前俺が酔っぱらってるからってわざと遠回りしようとしてるんだろう?わかった!会社に連絡しろ!言ってやる!
会社に弁護士いるだろう?言ってやるよ!俺が勝つに決まってる!」 (◎_◎;) ハナシガ オオキクナッテル~!

「すいません、そんなつも…(りは、全然ございません)」
「すいませんじゃねぇ~!」<(`^´)>
「はい…」 (ノД`)・゜・。
「はいじゃねぇ~!」 <(`^´)>
「……」 (@_@。

なんだかんだで「そこに止めろ!」と、家の前に着く。
男性は言う。
「俺は構わねえ。今からお前の会社まで行け!」

何度も謝り、お伺いを立てる。
「本当にすいませんでした。どうかお許しいただけないでしょうか?」m(__)m

フンッと男性。<(`^´)>
「お前、俺が酔っぱらってるからって覚えてないんだと考えてるんだろ?酔っぱらってても結構覚えてるんだからな?」
お釣りを渡すと同時に吐かれた捨て台詞。

鼻息荒く出ていく男性。その場所に残される黒いかたまり。

財布だ!Σ(´∀`;)

「お客さん、財布、財布、財布~忘れてます!」(;´Д`)

始め無視されていたが、
何度も連呼したすえようやく財布の単語が
男性の耳に届く。

「ぁあ…、これがないと大変な所になる…所だった…」
バツの悪そうな男性。滑舌悪くなる口。
男性の去っていく姿を見送りながら、吾輩は一人思う。

捨て台詞は覚えていても、
財布は忘れていくんですね…
それがあなたの常識なのですね…(。-`ω-) フム

夜明け前、水滴がたまる窓の先には
まだまだやみそうもない雨が
シトシトと降り続いていた…。

自動代替テキストはありません。

ゆらゆら~とユラユラ~と 2015.9.27

タクシードライバー TAKU氏の事件簿
【渋谷 → 品川?編】 

※物語は事実を元にしたフィクションです
 

「1810円になります。丁度ですね。
ありがとうございます!」
渋谷のとある一角、小銭ときれいなお札を置いて
まだ日が昇らない闇夜の街中へその人は去っていった。

日報を記入し、メーターを戻す。
さぁ次だ!と安全確認の先に…、
待ってましたとばかりに手を上げている
男性が目に飛び込む。

すぐさまハザード、ゆっくりと近づく。
 

どうやら店員さんようで、
乗車は少し奥でへばり気味の男性。

勢いよく男性が乗り込んでくる。
ゴンッ!!!と頭をぶつけながら… (´゚д゚`) イタソ~…

「大丈夫ですか?」と声を掛けるが…
反応が……ない… (・・?

我慢してるのか、照れ隠ししているのだろうと思い、
「どちらまで行かれますか?」と聞くが…、
またもや…反応ない…。 (・・??

「お客様?どちらまで行きますか?」声を大きく尋ねる。

ボソボソッと何かを言いながら、前を指し指を上へ動かす。
もう一度尋ねる、
「…ぇいと…」とようやく届く微かな声。

少し考える… ウェイト…待て!…かな?
いやその割にはしきりに前を指す…?
もう少し考える… (ー_ー)!! 
車内灯を付ける! ライトだった。 

明るくなった車内、
ガソゴソとウエストポーチの中身を探り出す。

なにやら中国語らしき言葉をボソボソッとつぶやきながら
何かを取り出そうとしているお客さん。
 

なかなか動かない車…。

何してんの?とばかりに見てる
外の店員さんの視線がどことなく痛い…。( 一一) イキサキ ワカラナインダモン…

どうしようもない待ち時間。

これでもない、それでもないと…ポーチからカードを
出しては~しまい、
出しては~しまいが繰り返されている後部座席…

10枚ぐらいカードが出ただろうか、
ようやく口が開く
「シ…ナガワ…、シナガワエ…キ!」
「品川駅ですね!かしこまりました!」
「ア…アリガト…ゴザマス…」

目的地確認!
待ってましたとばかりに走らせる車。 ( ̄▽ ̄) ヨッシャー!

途中信号で止まり、ルート点検しようとナビを入力中、
「ガチャ!」っと後ろから音が…。

(´・ω・)? 何?とばかりに振り返る…
なぜかドアを大きく開けようとしているお客さん…

中国語でなんと言うのか考える余裕などなく
急いで日本語で話しかける。Σ(´∀`;)

「お客様?危ないですよ!勝手にドアを開けないで下さい!」

(・・? ポカーンとしてフラフラと揺れているお客さん…

「ここはまだ品川駅ではないので、ドアを閉めさせてもらいますよ」
急な出来事にドキドキしながら、ゆっくりとドアを閉める。

「シナガ…ワ…」
「はい、品川駅に向かっていますのでしばらくお待ちください」
 

(。-`ω-)… これは早く品川駅に着かなければ
何が起こるかわからないと、
気持ちを引き締めアクセル踏む。

恵比寿駅近く。またもや信号待ち。
「エ…ビス!」とつぶやく声。
同時にまたドアを開けるお客さん。\(゜ロ\)(/ロ゜)/ エ~ マタ~?

「お客さん、品川駅はまだまだですよ?!」

なぜかゼスチャーでここで降りる!を繰り返す。

それではと「料金は730円になります」と伝える。

ゆらゆら~と、そのまま出ていこうとする男性。

ちょ…ちょっと待ってください!と何とか引き留める。
(´・ω・)? 何で止めるの~?とばかりに不思議がる顔。

繰り返し支払いをお願いする。

指を吾輩に向け「You?」と呟く男性。

「730円になります!」
ようやくお金を取り出そうとする動きが見えホッと胸をなでおろす。


後ろの光景になぜか感じるデジャブ…

これでもない、それでもないと…ポーチからカードを
出しては~しまい、
出しては~しまいが繰り返されている…
(。-`ω-) コノコウケイハ ドコカデ…ハテ?

ようやく出てきたクレジットカードで決済。

すったもんだの後、男性はゆらゆら~と車を降りて行く…。

少し先での信号待ち、後ろを振り返る。
男性は変わらぬその場でまだ
ゆらゆら~とユラユラ~と揺れていた…。

自動代替テキストはありません。

まいちゃん 2015.9.29

タクシードライバー TAKU氏の ほのぼの事件簿
【池袋 → 千駄ヶ谷 編】 
※物語は事実を元にしたフィクションで登場人物は仮名です
 

ある夕暮れ時。
交差点を右折した先に見つけた人影2つ。
 

その1つの小さな人影は、片手にお人形、
片手は「ハイ、ハイ!」と上へ元気よくあげ
ピョンピョンと飛び跳ねる。
 

そこは誰彼と家路を急ぐ人たちであふれる池袋。
 

「気を付けて乗るのよ!」優しいお母さんの声に
「は~い!」先に乗り込んで来た女の子。
 
「近くてすいませんが、千駄ヶ谷までお願いします!」
かしこまりましたと車を走らせる。
 

後ろから今日の事を楽しげに話しかける女の子。
 

お母さんは女の子に話しかける。
「途中でまいちゃんの大好きなパン買って帰ろうか?」

「うん、パン食べたい。お母さんパン今出して?!」

「ごめんね?今食べるものないから、途中で買って帰ろうね?!」

「え~まいちゃん、いまパン食べたいの!!
いま食べたいのぉ!!!」

「お店がもう少しだからそこでパン買おうね?!」

「まいちゃん、おなかすいちゃったの!
食べさせてくれないなら泣いちゃうよ?」
うぁ~~~ぁん(ノД`)・゜・。
 

泣いちゃう宣言した途端、
大声で泣き出し始めた女の子。(´゚д゚`) メチャ ハヤッ!


突然の事に「あらあら、まいちゃん…」 \(゜ロ\)(/ロ゜)/ アタフタ!
吾輩も思わずつられて \(゜ロ\)(/ロ゜)/ アタフタ アタフタ
 

「あらららら、お腹すいちゃっちゃたんだね~?」思わず声を掛けると
 

予期せぬ運転手からの声にびっくりしたのもあるのか、
「うん…」と素直な返事にピタッと泣き止む女の子。(*´ω`*) ナンカ カワイイ♪
 

その様子にホッとした感じのお母さん。
「もう少し先に行くとパン屋さんがあるので少し止めて待ってて
もらえますか?あと、買い物中、娘を見てもらっててもいいですか?」

かしこまりましたと車をパン屋の前で止める。
 

数分後、
優しい笑顔と一緒に渡されるチョコパン。
 

「わ~い、チョコパン~♪」と
ハムハム、ハムハムと食べ始める女の子。
 

なんてことない母娘のやりとりに
酔っ払いとの日々の闘いでやさぐれた心が癒され
また車を走らせる吾輩であった。

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たれしたたるは 2015.10.11

タクシードライバー TAKU氏の事件簿
 

「1900円になります」
目的地 告げる料金。
 

「あ~ちょっと待って」と一言と共に
コイントレーに乗せられた万札束。
 

(◎_◎;) 「えっ???」声を失う吾輩。
 

驚くあまり、ビクッと跳ねあがる身体。
ま、万札はと…目をむける先はコイントレー。
 

あれれ?と一生懸命辺りを見渡す吾輩の口の端から
たれしたたるはひとすじのヨダレ。
 

それは仮眠から目覚めたタクシーの中
一人虚しさ漂う悲しき夢物語。
 
 

【中目黒 編】

曇り空、パッとしない星空に、
パッとした売り上げが出ないある平日の夜。
 

中目黒駅に差し掛かろうとしたその時
突如パッと現れた二人組。
 

逃すものかと物陰から走りだし道路に出てきた女性。
その後続くは酔い加減 出来上がり完成の男性。
 

口開く男性。
「最後はずっとまっすぐ行くから。
まずこの先のTSUTAYA前に止めて!」
 

反対車線にある最初の目的地。
「つ…TSUTAYAですか?
最後はまっすぐ行かれるのに、途中でUターンしないと
行けませんがよろ……」
 

遮られる言葉
浴びられる言葉。
「とにかく早く行けよ!TSUTAYAだ!」
 

その言葉、言い終わるタイミングで
追い抜かれ真ん前で停まる他社タクシー。
 

仕方なく右から追い抜きかけると
頭上から見下ろす
黄色→赤へと変わる3色3つ目。
 

止まらざる得ない状況。
車内に響き渡る大きな独り言。
 

TSUTAYAって言えば行けばいいのに
出発してすぐ止まりやがるなんて信じられるか?
5mも進んでないんだぜ?行けと言ったら行く。
これがセンスってもんだろ?俺なら行くね!
センスね~わこの運転手。なぁお前も思うだろ!」

(;一_一) ソレハ センスト イワヌ。タダノ イハンダ! シンゴウムシダ!
 

「口が悪すぎるよ。止めなさい」
なだめる女性。
 

「センスないわ~」を3色3つ目が赤くにらんでる間
ひたすら繰り返す男性。

湧き上がる思いを抑えおさえ
独り言にセンスない男性 TSUTAYA近くで降ろし、
女性を降ろし、気持ち新たにアクセル踏み込む。
 

パッと売り上げが上がらない夜、
パッ パッ パッ と込みあがる怒り、
パパパンと往復ビンタしたい衝動を
パンパンと堪忍袋に押し込んだ下弦の月照らす中目黒の夜。

※物語は事実を元にしたフィクションです

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ドクお願いがあります 2015.10.21

タクシードライバー TAKU氏の事件簿
 
目の前でいきなりこけ出す自転車
突然目の前に停車する乗車中のタクシー
スピードが出てる車が行き交う間を左右の確認もせず横断する歩行者
そう、今回も特に問題なし…( 一一) ヨクアルコト,ヨクアルコト

本日10月21日は、バック・トゥ・ザ・フューチャー Part2の
主人公 マーティーがタイムトラベルで行き着いた2015年の世界
吾輩が乗るタクシーにはまだタイムマシンの機能は付いてない
 
 
【初台 → 新大久保?編】

マーティーがタイムスリップしてきた朝方近く
交差点のガードレールにもたれ掛かっていた女性が手を上げた

新大久保駅まで」
そういい終えると後部座席にて車内中に響き渡る笑い声をあげる
どうやら携帯電話で友人と会話している模様

文句だったりやたら上から目線での会話
色々大変なのかな~と思っていると「じゃあまた」と切られる電話

やれやれ静かになるかなと思いきや
聞こえてくる呼び出し音

数回のコールで相手が出てきてまたもや繰り返される
文句とやたら上から目線の会話…

交差点、右折先には新大久保駅
右に曲がった瞬間「あれっ?まっすぐだったのに!」

( ̄д ̄) エッ? 「新大久保駅とおっしゃってましたよね?」

「まっ、いいや途中で左に入って!」

駅だって言ってたのにな~と、言ってても始まらず
指示通り左に進路変更する

細かく指示があり目的地に向かう最中
電話相手はいつの間にか3人目に…

突如あがる大声
「どうしよっかな~?今から行こっかな~?
運転手さん、ちょっとそこに止めて!」

ハチ公のようにおとなしく待つ吾輩
数分間の時が過ぎる

「さみしいじゃん、どうしたらいい~?
え~かまってくれてもいいじゃん?
そこどこ~?」

あ~だ、こ~だ繰り返される会話
タイムマシンがあるならお客さんを乗せる前まで戻りたい (。-`ω-) フゥ

「区役所まで行って!」

返す返事は「はい!」か「かしこまりました!」のみ

すぐさまアクセルをふかしハンドルを回す

交差点空いてそうな方を選び、直進する

あがる大声
「あ~どこ行くのよ?曲がった方が早いでしょ?」

「距離はそんなに変わらないのと、今ならこちらが空いてそうだったので」
と、言いかけるとタイミング悪く信号待ちに…

「何やってんのよ!混んでるでしょ?さっきの所曲がっていれば
早かったでしょ!ちゃんとそれぐらい計算してよ!」

(;一_一) 「すいませんでした…」と謝るものの
その一度の信号待ちの停車以外はめちゃくちゃスムーズで
勝ち誇っているお客様に結果的に時間的に早かったですよね!と
言えずの吾輩

途中急なルート変更
「やっぱり(今は無き)コマ劇場に行って」

(;一_一) アッ、ハイ… 「かしこまりました!」

素早く頭でルートをえがき、交差点を曲がる

「いややっぱり、ゴルフ練習場に行って」

(;一_一) アァ、ハイ… 「かしこまりました…」

「その辺で止めて!」
最後に一言言い残して去っていくお客様
「あははは、どこ行けばいいのかよくわかんないわ~!」

(;一_一) アァァァ…
 
 
σ(-c_-´。) ドクお願いがあります。デロリアンを貸してください。
そしてこのお客様と出会わないように過去を変えさせてください。

こうしてドクとマーティ―がタイムマシンで現れた
10月21日の朝を迎えようとしていた…

※物語は事実を元にしたフィクションです。

自動代替テキストはありません。